長袖と半袖を行ったり来たりしながら過ごした一週間。これからやってくる怒涛の2カ月の気配を感じながら、無事に切り抜けられるか不安と追いかけっこする一週間だった。
そんななか木曜日はコンゴからきた「スタッフ・ベンダ・ビリリ」というバンドを見るため、早めに仕事を切り上げて雨の中を出掛けた。
サカキマンゴーとソウルフラワー・モノノケ・サミットが前座というものすごく贅沢なライブ。サカキマンゴーの親指ピアノは、アフリカの乾いた空気を思わせてくれた。からっと晴れて気持ちのいい空。もしかしたらそれはアフリカについてのステレオタイプかもしれないけど、やっぱり空のイメージがぴったりだ。
モノノケはのっけから「釜ヶ崎人情」というディープな選曲。その一曲で会場の空気を欲しいままにしてしまうからさすがだ。いつものように中川さんの余裕たっぷりのMCが冴えまくり、大熊さんのクラリネットはうねる。後半は「満月の夕べ」「がんばろう」とたたみかけ、「インターナショナル」で全員熱唱。僕は完全にノックアウトされ、不覚にも涙してしまった。
そんなわけで、スタッフ・ベンダ・ビリリが車いすに乗ってステージに現れたときは、もうそれだけで会場全員が総立ち状態。あとは1000人のダンスパーティーがそこにあった。晴れた空もあったけど、ぬかるんだ道も、都市も権力も、女も貧困も動物園もいろんなアフリカが溢れていた。
バンド最年少のロジェが演奏していたのはブリキ缶と木片を組み合わせ鉄線を張った手製の楽器だそうだ。これまでに聞いたことのない音色だが、強いていうならエレキギターに似ているだろうか。初めは耳障りに聞こえていたのに、どんどん好きになっていった。
「大切なのは体裁じゃない、スピリットなんだ」。夜道を歩きながら、そんなことをぼーっと考えていた。