なかなか人にうまく紹介できない映画というのがある。自分にとってそれがあまりによすぎるがために、うまく説明する言葉が見当たらなくて、けっきょく「すごいよいから観てくれ」と月並みなことしか言えなくなる。
『長江哀歌』というジャ・ジャンクー監督の作品。舞台となっているのは、世界最大規模の『三峡ダム』(2009年完成予定)によって水の底に沈みつつある長江の古都、奉節。この巨大プロジェクトによって、130万人以上の住民が移住を強いられる。
静物画のような映画。ゆっくりと絵画をみるつもりで、できることなら映画館で。